目次
総評
点数：5.4 / 10.0
低年齢層向けのストーリーと雰囲気でテンポ良く進められる。ただし、一部のステージの難易度が異常に高く、レベルデザインが不安定。手軽に遊んでクリアしたいなら候補に上がる。
クリア状況
プレイ時間：約4時間
難易度ノーマルで全ステージクリア。
ゲーム概要
2D横スクロールのジャンプアクション。仲良くなるには動物が必要と考えた宇宙人がウイローの愛犬も含めた動物たちを誘拐、誘拐された愛犬を取り戻すために主人公ウイローが冒険をする。
ウイローはアイテムによってウシ、カエル、ハチ、アルマジロの変身できる。ウシは角を飛ばして敵を倒すことが出来る。カエルは自由に水中を泳げる。ハチはジャンプ開始から一定時間ジャンプし続けることが可能。アルマジロは転がることで攻撃と移動を行う。いずれの状態でもダメージを受けると通常のウイローに戻る。
全5ワールドと5体のボスを倒していく。ステージ中にはボーナスコインが存在し、その獲得数に応じてボーナスゲームである神経衰弱が遊べ、ステージに持ち込める変身アイテムやコインを獲得できる。
レビュー
ストーリーについて
ストーリーや全体の雰囲気について、元凶の宇宙人の理由も可愛らしく、ポップなデザインに合った絵本のようなストーリーだった。低年齢層向けにテキストのほとんどが平仮名なのは良いが、句点なども無くてかなり読みづらいうえに一部が見切れている場合がある。翻訳自体にあまり問題は無い。
遊びやすくも簡単すぎない
やり直し可能なチェックポイント、連続ミス時にウシにパワーアップ済みで再開する点、アイテムの持ち込みが可能とかなり親切な設計である。変身することで楽に進められる場面では前もってアイテムが配置されており能力の使い方を考える場面もあったが、変身無しでも突破できる。ボーナスコイン取得のためにステージに存在しない変身が必須な場面もあったが、変身アイテムの持ち込みが可能であり、任意のステージクリアで変身が引き継げること、最初のステージで全ての変身が存在することもあり、あまり気にならなかった。ただし、着地先に往復する敵や追尾する敵が配置されていたり、幅が1キャラ分の足場は当たり前であるため、難易度は簡単すぎる訳ではない。
難易度が高すぎる滑り床
ギミックは動く床や通り抜けられる床、水中ステージ、滑る床と、種類は少なくオーソドックスなものばかりであるが一部は挙動に癖がある。特筆すべきは滑る床であり、まず滑りの慣性の乗り方がかなり大きくブレーキが効きにくい。さらに動く足場含めて全ての床で発生し、ジャンプ等にも滑りが乗るため滑りをキャンセルできない。ハードモード以外は残機制ではなく、チェックポイントなどの救済措置でリトライはしやすいものの、他ギミックと一線を画するほど難易度が高く、この滑り床がレベル2（ワールド2）からと序盤に登場することもあり調整不足感は否めない。
また、ステージ下部の背景が手前側に表示されており通路やアイテムをその裏に配置して意図的に隠している場面もあった。基本的に隠されているものはボーナスコイン関連でクリアに不要であるが、大抵はノーヒントで少し意地悪であり、狭い画面に対して隠される範囲が広めで単純に視認性も悪い。
ボリューム不足な敵とボス
敵は床や水中を往復する敵と近づくと追尾する敵だけと、ボスを除くと実質2種類であるため、かなりバリエーションが少ない。また追尾する敵は他の同種の敵と干渉し合って重なることがあり、重なりが解除された時にかなりの速度で弾かれて飛んでいく。その弾き飛ばされた敵に当たるケースは少ないものの、干渉し合うこと自体は頻繁に発生するため少し残念な作りだった。
ボスはラスボス含めて5種類であり、いずれも隙ができた時にジャンプ攻撃を受け付け、一定回数攻撃をヒットさせれば勝ちとなる。どのボスも倒した後の会話があるものの、いずれも効果音や演出等が少なくボス戦自体は味気ない。
変身について
通常のウイローについて、2段ジャンプが使えるうえ、ジャンプ開始時から足に攻撃判定があるため、そのままでも弱すぎることは無かった。他変身についてもそれなりに有用であるが、アルマジロのみ使いにくく有用な場面が少なかった。ローリングで敵を倒せるが、敵に接触することが前提かつ能力使用とダッシュが同じボタンであるため、移動距離とローリング時間を測りづらく、ローリング切れでダメージを受けやすい。空中でも使用できるが挙動が独特で位置を制御しづらく、足場が狭い本作では使いづらい。
その他、雑記
ワールド中にあるボーナスゲームについて、全て神経衰弱であり、当たった絵柄のアイテムかコインを獲得できる。挑戦権は1回のみで各ワールド2つ存在する。遊べる回数に文句は無いが、ゲームの種類はもう少しほしかった。
ステージ内の通常のコインは残機が増える訳でもなくアイテムの購入も出来ないため、用途を用意してほしかった。ステージスコアとして記録もされないため、やや危険な位置にも配置されていてもそこを通過するメリットが全く無く、コインだけ配置している無駄な構造を持つステージもあるため勿体ないと感じた。
ゲーム開始時に3段階の難易度が選択できる。イージーとノーマルはそれ相応の設定だが、ハードだけは1度のミスでそのデータごと全てが終了となる。難易度が用意されているだけで選ぶ必要は全く無いが、難易度の調整が極端であると感じた。
